三大地鶏のビールあわせ 

 秋葉原の店長と話した時に、今期のメニュー改変は三大地鶏を持ってきたいとのことだった。居酒屋業態も、お客様に喜んでいただくために企画が大変なんですw
 さて、日本三大地鶏って何か知ってますか。日本全国には150以上の地鶏銘柄があるけど、頂点に立つのは、明治時代に初の国産実用鶏に認定された「名古屋コーチン」、天然記念物系統である「比内地鶏」と「薩摩地鶏」の3種。
 名古屋コーチンは食肉用に改良された種だから、性格はおとなしく買いやすい。大型で丸みを帯びたどっしりとした体型が特徴、余談だけど体重が重すぎて高く飛ぶことができない。
 肉質は赤みを帯び、香のよい脂の乗った弾力性が特徴でこく味がある。卵も濃厚で卵黄の色も濃い目。
 偽装問題で話題になった比内鶏は、縄文時代以前より秋田県地方に生息していた日本固有種。小柄で首が長くとさかが小さめってのが特徴で、野鶏に近く貴重なために昭和17年に天然記念物に指定された。だから食用できず、流通しているのは比内鶏に繁殖力の強いアメリカ種を掛け合わせて品種固定した比内地鶏。秋田ブランドの鶏なんで概ね1羽1坪の土地に放し飼いもしくは平飼いし、180日程度の長期飼育が認証条件になっている。
 歯ごたえある肉質だが、加熱しても固くなりすぎずに肉の味も濃い。脂も濃厚な旨味があるというのが特徴。
 やはり昭和18年に天然記念物指定された薩摩鶏は、九州南部に生息する大型の日本固有種。気性が荒く闘鶏用の軍鶏として知られているよね。育てるのも難しいけど、肉の甘みや弾力性や色合いには特別なものがあるという。それにアメリカ種を交配させて品種固定したのが薩摩地鶏。歯ざわりのよい肉質は生食向き、刺身やたたきにピッタリです。もちろん薩摩汁や焼き鳥の具としても有名だよね。
 名古屋コーチンにお薦めのビールは、グリル料理であればバイエルン風にヘーフェヴァイツェン合わせたいね。愛知県であれば犬山ローレライのヴァイツェンがいい。それから金しゃちの赤味噌ラガーもおもしろい組み合わせになりそう。赤味噌ラガーの深いコクが名古屋コーチンのこく味を引き出しそうでしょ。アッパー飲食であれば、博石館のハリケーンなどが良いかも。
 比内地鶏で受けそうなのは田沢湖湖畔の杜のあきたこまちラガーかな。秋田ブランドあわせだけど、実はこの味わい深さは醸造試験場の折り紙つき。地ビール協会さんのコンテストに出てこないからビールファンに知られていないけど、国税関係のコンテストでは連続受賞でちょいと知られた存在なの。それからこく味があるものとなれば、あくらのQボックもおもしろそうだな。
 薩摩地鶏をさしみで食べるのであれば、やっぱボヘミアンピルスでしょ。霧島高原のボヘミアンブロンドがお薦め。鹿児島県にはおもしろいビールがあって、薩摩酒造の紅イモビール・・・サツマパープルが女性受けしそうな気がする。見た目も美しいしアロマも上品だよ。それから、これは飲んだことないけど薩摩麦酒のデュンケルヴァイツェンも良さそうだな。デュンケルはダークのドイツ語読み、カラメル麦芽使った濃色の小麦ビールなの。

今夜はルースー炒飯に青島ビール 

TSINGTAO

 晩ゴハンはルースーチャーハン、あわせるの中国つながりで青島ビールです。ルースーチャーハンは青椒肉スーに黄金(卵)炒飯を合わせたもの。青島ビールは4.5度の軽めのピルスだから、脂っこくてオイスターソースのコク味の生きた中華料理にうまく調和してくれます。
 山東省青島はドイツが領有する港町であった時代があり、ドイツ製法で誕生したビールなんだけど。このフレーバー何かドイツの系譜って感じがしないな。これが中国の香りかしら?おや、少し鉄サビが混じったような味が残るけど流通段階での管理がうまくなかったようね。
 青島ビールを飲むの久しぶりなんだけど、グリーンボトルは昔のまま、だけどラベルが変わったみたい。たしか金色をたくさん使っていたし、漢字控えめでTSINGTAO BEERのロゴの方がもっと目だっていたような気がする。
青島


出雲路ヴァイツェンとビビンバ 

出雲路ヴァイツェン

 きのうは昼前から降りだした雨が肌寒く感じたので、夕飯のお相手をまったりした出雲路ヴァイツェンにしました。料理はと言うと、雨でウダウダ家の中に居たかったから、冷蔵庫の中を漁って在り合わせ野菜でナルムづくり。ビビダ(混ぜ)パッ(ご飯)←ビビンバです。
 西出雲の出雲路ビールさんにはずいぶん前にお邪魔したことがあります。何か話してくれと言うので、確かドイツ人だと思うけど外国人ブラウマイスターを含む醸造メンバーの前で、ヴィッテルスバッハ家とハフツブルク家のビール戦争の話などを、冷や汗をかきながらした思い出があります。
 だからとても懐かしいビールなのですが、うーん、この香り。地ビールに最初出合った頃のヴァイツェンを彷彿させます。とってもフルーティで小麦特有のバナナ香が強い。そしてホップとモルトの存在を感じさせない飲みやすさ。この香りとまったり感がたまらなく好きです。
 それにしても、このスムージィ感は腕あげたね。柔らかい口当たりで、そのままべたつかずにスーッと胃袋へ落ちていきます。引っ掛かりがないから飲みやすい。
 だから酸っぱくて、辛くて、コク味の強いビビンバにぴったり合います。こういう出会いをマリアージュと言いたいですね、邪魔せずに相乗効果で引き立てあう。最高です、お試しあれ。
ビビンバ

竹の子、だったらデュペル 

竹の子ごはん

 連休で竹の子狩りに行った親戚から大量の竹の子が送られてきた。で、今夜は竹の子煮と竹の子ご飯。
竹の子は早煮昆布(うちでは竹の子コンブと言っている)がトロトロになったところがいい塩梅という、ひいおばあちゃんの教えを忠実に守って、根っこを煮物に。上のほうは柔らかいから竹の子ご飯に。
 これをアテに、大好きなデュペルで乾杯w
竹の子は薄炊きだから、デュペルの魔性を引き立ててくれる。濃密な料理だと完成度の高いデュペルとガチンコしちゃうけど、こういうほのかな季節感を味わう料理だと、うまく補ってくれるのよね。
 柑橘系のフルーティとベルギービールらしいスパイシーさ、ホップの強い苦味が、うまく和テーストを引き出してくれる。
 もったいないから、ほかのおかずはパス。今宵は季節の竹の子とゴールデンエールのマリアージュを堪能です。

ヴァイスブルスト 

バイスブルト

 マイクロブルドビアが解禁になった当初、醸造技術の輸入はドイツ系とアメリカ系の二つの大きな潮流があり、出遅れたイギリスが国をあげて何とか日本市場に割り込もうとしているって感じだったわね。
 わたしはたまたま周りがみんなドイツスタイルのビールに傾倒している人が多かったので、ビールを通して南ドイツの食文化に触れることが多かった。
 ミュンヘン旧市街にあるマルクトの中のインビスブーテ(市場内のビールスタンド)でいただいたミュンヘン・ヘレス+プレッツェルとヴァイスヴルストの三点セットの印象が強烈で、何とか日本のお店でも再現させたくて、ラウゲン・プレッツエル(岩塩パン)の冷凍パン生地を作ってもらうためにパンメーカーをまわったり、ヴァイスヴルスト(仔牛の白ソーセージ)を作ってもらうためにハムメーカーをまわったりしたけど、だいたいが「技術的には生産可能だけど、個店取引では量的に対応が難しい」「試しにやったことあるけど長続きせず懲りた」って断られたものよ。
 今では原宿にプレッツエルの専門店ができてから、ユニークなカタチをしたこのパンも奇異ではなくなったし、小さな手作りハム屋さんも増えたからヴァイスヴルストもネット通販で手に入るようになった。
 ただ、ヴァイスヴルストは伝統的に朝市場で手に入れて、午後には鮮度が落ちるから食べないという「正午の鐘の音を聞いてはいけない」ソーセージだから、できれば真空調理ではなく出来立てをすぐ茹でて食べたいって言ったら贅沢かな。
 湯に浮かぶ肉汁がしたたるような、プニュでジュワーのヴァイスブルストに甘めのマスタードをつけて食べたい。どこかでクラフトビールと岩塩パンと湯づけの白ソーセージの本格的な三点セットを出しているビアハウスはないかしら。ちなみに上の画像はパウレナ・ブラウライのもの。
菊池牧場の無添加ソーセージヴァイスブルスト 150g