ベルギービール紹介誌 

パレット表紙

 以前、ベルギービールの取材先の相談に乗った家庭誌をいただいた。すごいなぁ、ライターさん随分勉強したな。ベルギービールとその背景にある文化がしっかり捉えられている。
 と思ったら、ベルギー観光局所長の紹介がコラムに入っている。政府関係筋に取材したんだ。どうりで的確な情報がまとめられているわけね。
 さすがプロ、ここまでコンパクトにまとめられていると教科書として使えそう。ベルギービールの魅力をA4版2ページに余すところなく伝えてある。
 掲載誌は「Palette(パレット)」Vol.15(2007冬号)
発行元は株式会社石油産業新聞社(Tel03-3503-0606)だけど、ガス屋さんやガス器具の販売店で無料で配られているんですって。ベルギービールのガイドとしておすすめですよ。
パレット記事

ベルギービールは西高東低 

 先月のビアフェス横浜で出品されていた地ビールはよくできていて、とってもおいしかったけど、一緒に出品されていたベルギービールにはかなわないと思った。歴史の厚みなのかしら、何か深みが違うのよね。
 そんな時(きのうの話だけど)、生活情報誌の編集者からベルギービールについて問い合わせがあった。最近とってもおしゃれなのでって話していたけど、最初に日本に入ってきた時はベルギービールは激安ビールって紹介だったわけで、ようやく家庭誌でもベルギービールのすごさに目を向ける人が出てきたのかと思うとうれしかった。
 それで取材先を教えてあげることになったのだけど、東京の会社だから東京に見つけてあげたいと思い調べてみると、ベルギービールは西高東低なのよね。ブログでがんばっている木屋さんは名古屋だし、小西酒造さんだとか輸入商社は関西に集中している。ビアパブでは新宿Frigoさんなどが知られているけど、今は大阪のベルギーパブの方が動きがおもしろいのよね。ベルギービール大好きってブロガーさんも関西圏の方が多いような気がする。地ビールの出荷は東の方が活発だけど、これって東と西の嗜好の違いが出ているのかな?

初期比重って何だ 

 先日の日本クラフトビアフェスティバルで配布されたビールリストには、1)ブランド名、2)ビール名、3)スタイル、4)《O.G.》初期比重、5)《ABV》アルコール度数、6)《IBU》ビタネスユニットとあり、最後に7)苦味づけと香りづけに使用したホップの種類が紹介されていた。
 どれにしようかなのガイドとしてはビールのイメージが伝わってくるので親切だけど、初期比重ってお客様にイメージできるのかしらって思っちゃった。だから今回はおせっかいな用語解説。
 まず初期比重は発酵前の麦汁糖度を意味するので、これを上げれば酵母のエサがいっぱいありアルコール度数の高いコクのあるビールができやすい。余談だけど発酵後にビールに含まれた糖分の濃度は最終比重ね。酵母は糖分を栄養にアルコール分と炭酸ガスを吐き出すものの糖分を全て食べつくすわけではない。食べ残しの糖分濃度が最終比重になる。
 このふたつは糖発酵度、すなわち発酵工程において酵母によって消費された麦汁中の糖の割合いをみるのに必要で、たとえば初期比重が1.050で最終比重が1.020だとすれば糖発酵度60%で糖分食べ残しが多い重いビールになり、初期比重が1.050で最終比重が1.010とすると糖発酵度80%だから、すっきりドライなビールになることが分かる。
 ビタネスユニットはビールの苦みをあらわす単位。ビール1L中に1mgのイソアルファ酸が含まれている状態が1IBUって言うの。もっとも苦味は麦芽糖分とのバランスに左右されるから、ビタネスユニットの値が高くても苦みの強いビールであるとは言えないのが味覚の神秘よね。苦味については官能検査の方がイメージを伝えやすいと思う。
 アルコール度数は、よく知られているから今更だけど、酒税法で「アルコール分とは、摂氏15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう」と規定されている。度数5度のビールには100ml中に5mlのアルコール分があるということですね。

古代エジプト人の技術 

炭

 ファラオ・スキンソープというすごい炭石鹸があるらしい。どこ検索しても見つからないのだけれど、友人が使っていて彼女はスキンケアだけでなくシャンプーとしても、つまり全身これ1個ですませているんだって。酸化防止によるお肌の老化に効果があるだけではなく、美白効果に優れ顔のシミも取れちゃったっていう。一度試してみたいから取り寄せてもらうことにした。
 税別2,000円のスキンソープだって言うから、よく温泉場で売ってる炭石鹸はもっと安いよって言ったら、安いのは墨汁を混ぜただけのものもあるんだって、知らなかった。ファラオは備長炭使用だし、通常、木炭を使った商品は認可がおりないのだけれども、これは唯一厚生労働省の認可をとった炭石鹸だからって言われちゃった。
 まあ、1個160gのスキンソープだって言うから大きいし高くないのかもしれないな。ところで、どうしてファラオかと言えば、2,000年前に埋葬されたミイラが死後4日の状態で発掘されたので、調べてみたら棺のまわりを木炭で覆って酸化を防ぎ腐らないようにしていたってことに由来するらしい。腐敗制御技術に優れた古代エジプト文明らしい話だな。その腐敗制御が応用されてビールづくりの礎になったのだもの。
 ビールの原型は麦芽パンを砕いて水に溶かして発酵させた飲料。ナツメヤシなどを加えて糖度を高めワイン並に度数を高めるなんて技術も確認されている。硬く焼き固めた麦芽パンは砂漠の隊商や遠征する軍隊での工夫ね。そのまま携帯して、行く先々で砕いて水を加えて軽発酵させる。知らない土地の飲み水って不安じゃない、だから発酵によりドロなど不純物を沈殿させ、アルコール化で殺菌して飲んでいた。
 それにアルコール分が薬草の有効成分を抽出するのに便利ということも分かっていて、薬草を「ビールとともに服用」「ビールに浸して飲用」なんて処方箋も残っているぐらい。麦芽パンは食べてよし、飲んでよしで薬にもなる携帯食だったわけ。
 余談だけどエジプトは今のように泡立つビールを飲んでいたらしいの。ヘクトと呼ばれるビールは、麦芽パンを砕いて水に溶かしたものを細長い壷に入れて発酵させていた。口が小さいから密閉しやすく、発酵でできた炭酸ガスを効率的に溶解させることができたわけね。この醸造技術がローマ文明に受け継がれ、麦酒がヨーロッパに広がっていった。

グラスつきのデュペルを 

 デュベルとオリジナル・グラスのセットをオークションで落札した。初めてのオークション参加なんで高値つけすぎちゃった>< 
 だって、締め切り間際に入札件数がいきなり増えてきたんだもの、見えないタイプだから不安になって、締め切り直前にドーンと値段あげちゃった。
 付帯費用込みで正価より安けりゃいいやって思っていたのだけれども、結果を見ると皆さんシビアなのね。自分の勝負弱さを痛感、次はもう少し考えて参加しなければと反省することしきり。でも入札期間中ドキドキして面白かった。なんだかやみつきになりそう(^^;

 ベルギーの代表的ビール「デュペル」はストロングゴールデンエールの草分け的存在。黄金色に輝くピルスに世界中が席捲される中で、危機感を感じて上面発酵の伝統的エールを黄金色に仕上げてしまったのがデュペル。1970年に生まれたこのビールは、高アルコールの強さと口当たりの柔らかさが絶妙なハーモニーだと絶賛されている。
 ちなみにデュペルとはオランダ語で悪魔と言う意味、「これを飲んだら他のビールなんて」というわけで悪魔的ビールという説明を見たことがあるよ。
 このビールは泡立ちの豊かさに特徴のあり、専用グラスで飲まないと泡だらけになってしまう。デュペルのグラスはフレアード・チューリップと言われる少し開き加減のチューリップの花に似たかたちをしていて、上の方のくびれが泡を抑えつけて固めるので、ビールをベストの状態で味わうことができるわけね。メーカーグラスというとおまけの販促品みたいで軽く考える日本人は多いけど、ベルギービールの場合はふたつ揃ってこそって面があるから、グラスとビールのセット販売は親切だと思う。
 それにこのグラスはとっても優れもので、底につけられた引っかき傷を伝わって泡がビーズの様に連なって上ってくるの。大好きなビアグラスのひとつ。
デュベル